MENU

亡くなってから葬儀までの1週間かかる場合、仕事との両立は?

人がこの世を去る瞬間というのは、いつだって突然です。

病院のベッドで静かに息を引き取ることもあれば、思いがけない事故で命が絶たれることもある。けれど、その瞬間を境に、遺された家族や親しい人たちは、急激な日常の変化に直面します。悲しみが胸を締め付ける中、それでも葬儀の手配、役所への届け出、親族への連絡、仕事の調整…。やらなければならないことが山ほど押し寄せてきます。

特に、亡くなってから葬儀までの期間が1週間ほどかかる場合、この“空白の時間”とどう向き合うかは、大きな課題になるのです。

例えば、都市部では火葬場の予約がなかなか取れず、1週間以上待つことも珍しくありません。特にお盆や年末年始など、混み合う時期は予約が取りづらく、想定外のスケジュール変更を余儀なくされることもあります。

しかし、ここで改めて問いかけたいのです。

「その1週間、あなたはどう過ごしますか?」

悲しみの中で、仕事と向き合うべきなのか。それとも心の整理と故人への想いを優先すべきなのか。多くの人がこの問いに、明確な答えを持っていないのが現実です。

実際には、選択肢は一つではありません。仕事を続ける道もあるし、しばし休んで心身を整えるという判断もある。それぞれに事情があり、状況があり、そして感情があります。

会社員として働いている人にとっては、忌引き休暇の有無やその日数が、最初の判断材料になるでしょう。多くの企業では、配偶者や親、子どもが亡くなった場合に5〜7日程度の忌引き休暇が設けられています。けれど、その「5日」や「7日」が、現実の葬儀スケジュールとぴたりと合うかといえば、そうとも限りません。

例えば、亡くなった日から3日後に通夜、4日目に葬儀というスケジュールであれば、慌ただしくも休暇内で対応できるかもしれません。ですが、火葬が1週間後となると、間の日々をどう過ごすかは悩みどころです。悲しみを抱えたまま通常業務に戻るのか、それとも再度休暇を延長するのか…。

この時、まず確認すべきは、勤め先の就業規則。忌引き休暇が有給か無給か、有給が残っているかどうか。さらに、上司に相談すればフレックス勤務やテレワークへの配慮が得られる可能性もあります。

一方で、「仕事をすることで気が紛れる」「手を動かしていたほうが気が楽」という人もいます。これは決して間違った感情ではありません。人の心の整理は、人それぞれの時間軸と方法で進んでいくものです。悲しみとどう向き合うかは、誰にも強制されるべきではないのです。

私自身、数年前に祖母を亡くしました。

小さい頃から、いつも「おかえり」と笑ってくれていたあの優しい声が、突然聞こえなくなったとき。私は深い喪失感に包まれながらも、祖母の最期を見届けるために地元へ向かいました。しかし、火葬場の予約が取れず、通夜と葬儀は亡くなってからちょうど一週間後。東京に戻って仕事に出るか、このまま地元に残るか悩みました。

最終的に私は、数日だけ出社して、また戻る選択をしました。仕事をこなしながら、毎日祖母のことを思い出し、何度も泣きました。だけど、そうやって日常と向き合うことで、少しずつ心の整理ができたのです。

一方で、完全に仕事をシャットアウトして、最期の時間を大切に過ごす人もいます。それもまた、尊い選択です。

大切なのは「正解は一つではない」ということ。

だからこそ、忌引き休暇という制度の存在は、私たちにとって非常にありがたいものです。法的な義務ではないとはいえ、多くの企業が社員の心情を配慮してこの制度を設けています。ただし、制度の中身は企業ごとに異なるため、事前に確認しておくことがとても重要です。

例えば、以下のような違いがあります。

・配偶者が亡くなった場合:7〜10日の休暇 ・両親や子ども:5〜7日 ・兄弟姉妹や祖父母:3日 ・おじ・おばなど:1日

また、有給か無給か、給与の取り扱いも会社次第。なかには、忌引き休暇が存在せず、有給休暇で代替するケースもあります。どんなケースであれ、慌てず、感情的にならず、落ち着いてルールを確認することが求められます。

それと同じくらい大切なのが、「心の余裕を持つこと」。

葬儀の準備は想像以上にやることが多く、精神的な疲弊も大きくなります。遠方の親族との調整、宗教者との打ち合わせ、会場の手配、お香典や香典返しの準備など…普段の生活では触れない事柄ばかりで、判断を求められる場面も多いのです。

だからこそ、仕事との両立を考える上では、「無理をしない」ことが最も大切なのです。

人は、いつも強くいられるわけではありません。弱さを見せていい時があります。立ち止まることが必要な瞬間があります。

大切な人を送り出す時間。それは「別れ」ではなく、「感謝を伝えるための時間」でもあります。

そして、その時間をしっかり過ごすことは、きっとこれからのあなたを支える“心の柱”になってくれるはずです。


現代社会は、効率とスピードを追い求める世界。でも、人生には“立ち止まるべき時”がある。その時をどう過ごすかは、誰にも決められない、自分だけの選択なのです。仕事、家庭、気持ち…すべてを天秤にかけて、あなたにとって一番後悔のない選択をしてほしいと願います。

大切な人を送るその日まで、あなた自身の心にも、静かに寄り添ってください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次